成りたろう 本 映画 切手 を語る: あくなき挑戦 「 光源 」 桐野夏生

2014年12月22日月曜日

あくなき挑戦 「 光源 」 桐野夏生



桐野夏生  「光源」  文春文庫を読んだ。


直木賞受賞「柔らかな頬」受賞後、第一作ということで、期待された。
その分、質の上下ではなく、期待している分野、コンテンツとの乖離が、酷評という形で出た一作。

流通量が少ないこと、イコール、BOOKOFFではみかけなかった。

見かけたので、買ってみた、読んでみた。

桐野の本は、そもそも、難解で、その分を補うためか否か、「殺人」「事件」が軸にあり、緊張感、緊迫感を生み、吸引力と彩となってきた。

それが、本作では、ない。

私も、過去の作品に照らして、推察すながら読み進めるうちに、裏切りや不安、を感じていた。

この感触を、楽しみ・悦び、とみるか、感じるか。

戸惑い、期待外れ、とみるか、感じるか。

どちらが正しい、正しくないと云うことはない。


個人的には、裏切られた気持ちが最後にもたらせた、結末に、流石! と云う想いは、ひょっとしたら、これが、最傑作として、将来、再発見・再評価される可能性もある、と思えるものだった。


文学も商業活動である以上、市場への迎合は、ある程度必要であり、また、あたっている間は冒険することなく、安定して、収入につながる。


これを、敢えて、「是」とせず毎回、新たな指向を明言し、そして、全く違うワールドで、一定の高い質をキープし続ける。


凡人の及ばず、高みにいることは、疑う由もない。



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