成りたろう 本 映画 切手 を語る: 10月 2012

2012年10月30日火曜日

■いやなガキ時代 インターネット集客 株式会社レゾンデートル

ものごころつくと、本が好きだった。

父系や妹にその気はなく。母系の伯父に少しその気があった。

家族の影響というより、幼少の頃から、日本地図パズルや「わたしたちの観察(小学低学年向けの科学雑誌・絶版)」などを与えられ、よく云うと、そこそこ賢く。悪く云うと、それが仇となり、大人からみると、小賢しい憎らしい小僧だったように思う。

家業は廃品回収のダンボールや新聞紙・雑誌・本を1m四方の正方形の塊にプレスして、十条製紙に卸す仕事をしていた。

アカ(銅)や鉄、アルミ、なども改修して再生する業者に卸していた。

40年ほど前の話、今考えると先端のエコな事業で、一時期は儲かっていたようだ。結果として長く続かなかったが。

小学校の高学年の頃は、放課後や夏、冬の休みによく手伝いをしていた。

参考書や小説は、買った記憶がない。超巨大な山となって、そこにあった。宝の山だ。それが目当てだった。

小学校の図書館で、世界児童全集や江戸川乱歩ものは全て、密かに読破していたが、圧倒的に山で自分で勝手に読んだ本の量が多い。

歳相応でないものが好きだった。

背伸びしていたわけではないし、将来、物書きに・・・など全く思っていない。土台、私が本を好きなことを知る人間や、読んだ本について、感想を語る人間は周辺には皆無だったから。

何故、と云われても困るのだが、10歳の頃の私は、谷崎潤一郎と北原白秋のファンで、殆ど読破していた。

もちろん、本質的な意味合いを理解したり、味わったりしていたわけではない。

やはり、一通りの児童向けの全集などなぞり、若干、物足りなさから背伸びし、一人、悦にいっていたのだろう。小賢しい・・・。

この小賢しさを証明する話は本人よりも、周辺の幼馴染がよく記憶していて、後年、逆に笑話し、昔話しとして聞かされた。本人より周辺の記憶の方が確かなところが人間の面白いところだ。

その中から、小賢しいお話を5つ。

■小学1年:教科書丸暗記事件 1学期で既に、国語の教科書をほとんど丸暗記していたらしい。「(犬の)しろ、しろ、みずたまりにうつるじぶんのかおをのぞきこんで、ぬれてしまうよ」などとそらんじて悦にいっていたらしい。生意気だ。

■小学1年: 「ちびくろサンボ」 最後は恐ろしいトラが木の周りをグルグル回って、バターになってしまうと云うほのぼのした幕切れ。皆が感動しているところに、「先生、気持ちは判ります。でも、物理的にトラはバターにはなりません」と言い放ち、皆も、「そーだ、そーだ、ブツリテキに嘘だ!」と目覚めさせ、担任の和田先生を辟易させる。憎らしい。

■小学2年:「かたあしダチョウのエルザ」 仲間を守るため、エルザはサバンナの大きな木になりました。・・・「物理的に・・・」と云いかけて担任の足立先生に1年の事件からか、「煩い!」と釘を刺される。尤もだ。

■小学3年:夏休みの自由研究で、「細雪」を全文、二百字詰め原稿用紙に写経(?)し、提出。 物議をかもす。卍や鍵、刺青でなくて、よかったと云うべきだ。何故なら、それらも好きでどれを題材にするか迷ったが、”長い”と云う理由で、細雪に。小賢しさが少し功を奏した。

そんなこんなで片腹痛く、小賢しく、成長し。中学生に。

■中学1年:授業参観にて。好きな詩を暗記し、そらで披露することが課題とされた。
迷わず、白秋を選んだ。しかも、既にそらんじていた。そのあまりの長さ、そして、大阪人の中でも早口でまくしたてた後、教室内がシーンと。母親が困ったような顔で突っ立っていた。

ご存知のように、この小賢しさ、片腹痛さ、は、おっさんの今も変っていない。困ったものだ。

白秋に敬意を表して。愛する件の詩をここに。


 ◆落葉松


からまつの林を過ぎて、
からまつをしみじみと見き。
からまつはさびしかりけり。
たびゆくはさびしかりけり。


からまつの林を出でて、
からまつの林に入りぬ。
からまつの林に入りて、
また細く道はつづけり。


からまつの林の奥も
わが通る道はありけり。
霧雨のかかる道なり。
山風のかよふ道なり。


からまつの林の道は、
われのみか、ひともかよひぬ。
ほそぼそと通ふ道なり。
さびさびといそぐ道なり。


からまつの林を過ぎて、
ゆゑしらず歩みひそめつ。
からまつはさびしかりけり、
からまつとささやきにけり。


からまつの林を出でて、
浅間嶺にけぶり立つ見つ。
浅間嶺にけぶり立つ見つ。
からまつのまたそのうへに。


からまつの林の雨は
さびしけどいよよしづけし。
かんこ鳥鳴けるのみなる。
からまつの濡るるのみなる。


世の中よ、あはれなりけり。
常なれどうれしかりけり。
山川に山がはの音、
からまつにからまつのかぜ。

2012年10月28日日曜日

■裏切られるのに離れられない作家 インターネット集客 株式会社レゾンデートル




 裏切られることが多いのに、傑作の衝撃、感動が逆トラウマになり、どうしても離れられない。そんな作家を、誰しもお持ちではないだろうか。

負けても負けても、応援を、ファンを辞められない、野球やサッカーのチーム。かような按配でしょうか。一度でも、優勝を味わったり、優勝でなくとも、強豪に快勝する快感を得てしまうと離れられないのです。

作家の場合は、多才な人に多いように思う。

 その活動のジャンルが広く、タレントとしての顔もあるような。作家のスタンス、特色が、悪く言うとない。よく言うと、色々書けて、幾度かスタイルのチャンジに挑戦している。されば、リスキーであり、期待外れの確立も高い。いい意味で裏切られ、唸る場合と、真逆に呆れて、腹立たしいことこの上ない場合と。

それでも、適度な距離を保ちながら、付き合っている。

この手の人は著名なので、その新刊を評価する評論家、識者を見分けるには、有難い。

すなわち、判らん阿呆か、私と合わない者は、何でもかんでも褒めるだけ。じゃ、お前の仕事はいらないだろう。人を、作品を酷評することは勇気がいる。しかし、それを真摯に実行できる者が評論家であり、その作家の真の味方ではないだろうか。阪神や広島のファンの自チームでの野次を聞いてみろ。その愛も仲々届かないが・・・。

しっかり自身の評をしている人に会うと得をしたような嬉しい気持ちになり、その氏の評がまた新しい道標になってゆく。

 さて、評論家ではないので、好き勝手に、悩ませてくれる主について、二人ほどお話ししてみたい。

     村上龍さん(1952年・長崎県生れ・1976年芥川賞受賞)

中学生の時、大人がワーワー囃したてている髪の毛がボサボサの冴えない、自分ではいい男だと勘違いしているらしいオッサンが、初めて見た氏だった。

   限りなく透明に近いブルー ・・・群像新人賞・芥川賞受賞作。
説明の必要があるだろうか。書き出しから素晴らしい。
中学生の私にも、その質の高さは、明白で。腕に鳥肌がたつような衝撃で、未だに忘れられない。自身の体験に基づく、青春をもてあましたジャンキーのよた話。薬とSEXと暴力と・・・そんな背景ばかりをマスコミ・大人がとりあげていた。が、本質は硬質な文章で綴られた人間の自己否定しようとしても、勝手に湧きあがる強い生への賛歌。
荒削りな文章すらも将来の可能性を髣髴とさせ、楽しみを感じさせる。
ちなみに、単行本の装丁は氏のアイデアによる登場人物のりりぃ本人の横顔の写真であることは有名。小賢しい。

     海の向こうで戦争が始まる・・・前作を知るに、大いに期待し、大いに呆れた駄作。
同じ人間書いたとは到底思えない。前作はゴーストライターの作か?
とにかく、何を云いたいのか判らない。今もって最後まで読了していない。
その価値も意味もないことは明白。嘘だと思うなら、立ち読みで数ページどうぞ。

※ 新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫) ・・・衝撃の大傑作。昭和の小説史に残すべき本。
昭和の日本人は、こういう不安を感じながら、騙しだまし、懸命に生きていたんだ、と証明する本。くしくも、後年、平成では“普通”の出来事になってしまう。
デビュー作同様、SFにも近い近未来的な背景の中に、人間の本質、悪と美を対照的にあますところなく描ききっている。
ニート? ひきもこり? 甘ちゃんの阿呆どもは、この本を読みなさい。

※ テニスボーイの憂鬱・・・賛否両論抱える話題作。多くの識者、評論家の絶賛をうける。本書をもって氏の一世一代の代表作とする識者は多い。
私自身は、その評の正しさを認めながらも、どうも馴染めない謎の一冊。
識者の評を拝借すると、人間の抱える正体の知れない不安、焦り、を一夜にして億万長者になってしまった若者の憂鬱という現象をもって抉り出している。
全くその通りだが、個人的に全体のトーン、リズム感が合わなかった。冗長かも。

     ラッフルズ・ホテル・・・今思えば、駄作放浪の旅への序曲。

     トパーズ・・・ん? 社会記者きどり?

     村上龍映画小説集・・・久しぶりに読めるかな、と思う期待作(だった)。
BOOKOFFの@¥100に現れるのを待っている状態が続く。

※五分後の世界・・・あれ、村上春樹に対抗しているの? それはちょっと・・・

     KYOKO・・・それで? でも、映画の主役、高岡早紀は、役に合っていて可愛かった。

     インザ・ミスソープ・・・あれ?

ということで、氏との蜜月も駄作の連発でほぼ終わりかに思えた。

2005年、「北朝鮮」の日本侵攻を題材にした話題作と云うことで耳目を集め、本屋に山済みで発売された本があり、(また、大げさに売りに出たか・・・)と苦々しく黙殺。その後、BOOKOFFの@¥100で見つけ、そもありなん。売れたが、すぐにお蔵入り=古本屋行きのよくあるパターンと知りつつ、何となく文庫本上下2冊を購入、自宅にストック。

※  半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) ・・・私の中で、龍復活の書。
とにかく、最後の数ページが素晴らしい。前述の大げさな侵略譚に体裁をとり、多少、そんなアホな、が散りばめられているが。
その本質は、人間には、誰でも生まれた意味、価値があり、存在意義を見つけられる、という希望の書。
社会の屑と思われし人間の逆襲の冒険物語。
さりげなく、冷たいような演出に底流する、男の本物の友情が美しい。
結局、作者は、最後の数ページのためにこの大作を書き下ろしたのだと思う。
単純に、私は、そんな本がただ大好きなだけかもしれない。

     辻仁成さん(1959年東京生まれ・1997年芥川賞受賞)

南果歩・中山美穂の旦那。この経歴から胡散臭さがお分り頂けると思う。

     ピアニシモ・・・すばる賞受賞のデビュー作。
装丁にひかれ買った。可もなく不可もない。が、氏の才能の高さはありありと伺える。今後に期待・・・と云う意味で強く記憶されたことを覚えている。

     母なる凪と父なる時化・・・よくある親子のシリアスな叙事詩。
よくまとまっている。感動もする。が、何か物足りたい。贅沢な悩みかもしれないが、出来すぎ、なのだと思う。最初から最後まで安心して読めるが、残る感動に薄い。

     海峡の光・・・芥川上受賞作。
人間の暗部を粛々と書き上げた名作。
しかし、どうも裏があるような気がして、快哉できない。個人的には、母なる・・・の方が余程好きである。

 ※ 白仏 (文春文庫) ・・・氏の代表作というより、平成を代表する大傑作。
ようやく氏の才能が静かに爆発した快作。
日本より、むしろ、海外での評価が高い。スケール、高貴な質感、は活字に慣れの浅い日本人には重く感じるかもしれない。しかし、再読に耐え、読むごとに味わいが変る。聖書のような本。
自身のルーツに端をとると聞くが、古きよき日本の品格をあますところなく描ききった本。読んでいて、日蓮や新渡戸稲造を想起したのは私だけか。
日本に幻滅した日本人や、誤解している海外の識者に読んで欲しい。
後世、近世の日本人の質を語る資料となるべき一冊。

 冷静と情熱のあいだ・・・江國香織との表裏一体のコラボ、話題作。映画化前提。怪しい。
才能があり過ぎるのだろう。ビジネス的な前提・制約の下、こんなもんだろう、と推敲を途中で辞めたような感じがする。しかし、そこそこの質は備えている。流石で、惜しく、腹立たしい。
好みの問題だろうが、同じ制約下でも、相棒の江國のそれは、それなりに妥協のない素敵な仕上がりで2冊で完成とするべきか。


「本」は素晴らしいですね。それではまた。サヨナラ、サヨナラ、サヨウナラ。

2012年10月26日金曜日

■反省? 悔恨? 罪悪? インターネット集客 株式会社レゾンデートル

以前、Facebookにも投稿したかと思う。

私の読書パターンについて。
それは一種の病気、もしくは固有のパターン化されたものでして。

特徴としまして。
1)専門書・参考書など難解、重いものが楽しくて仕方がない。(1~3ヶ月程度)
2)絵の多いビジネス書・バイブル的な参考書など、軽いものが心地よい。(1ヶ月程度)
3)BOOKOFFで@¥100で買い漁った、未読の小説か新書が常に100冊ほど山積みでないと落ち着かない。その中から、数冊を一気に読む。(1~2週間程度)
4)何もしたくない、疲れたとき。マンガに浸る。(1、2日)
大体、このサイクルが年に数回周っている。

今は、3)の時期だ。

4つのパターンのうち、一番難しいのは、実はこの3番でして。

と云うのは、1)は読み応えがあり、2)4)は、こなれたものが多く安心できる。ところが、3)では、稀に大はずしをしてしまい、その本を選んだ自分自身の不甲斐なさと、失った時間のもったいなさに嘆くのである。

酒でも飲めれば、「そんなこともあるさ」でバカ飲みしてぐっすり眠り、また、1)に戻ればいいのだが、断酒中のここ数年、この失敗がもたらす陰鬱な空気、反省・悔恨の念は、ベッドの中でも目覚めの洗顔時も通勤の車中でも、私を苛んでくる。

「おいおい、何十年、本読んでいるんだ」

「へいへい、世間に迎合してんじゃねーの?」

「ひよってんの、おっちゃん?」

仰る通りです、と、もう一人の自分が謝る。

しかし、今回のは酷かった。

売れた本、映画の原作になった本、にろくなものはなく。敬遠しておくに限るのだが、魔がさしたのか、渋谷BOOKOFFの@¥100小説のお勧めコーナーに鎮座していた、こいつを、食わず嫌いも何だから・・・と手にとったのが、数ヶ月前。

そして、ふと目にとまって、山積みから手にとったのが、昨晩・・・。

いつもは、タイトル・実名を記す主義だが、あまりにこきおろしたので、ちょっと遠慮して、投稿前にこう匿名・修正した。作者・KM(奇しくも私と同じ・・・)の、タイトル・K。本屋大賞受賞のベストセラーである。

まず、文章・設定・リズム、全てが「売れること」「うけること」を前提とし、おそらく(違うといいはるだろうが)賞の受賞、映画化の水面下での決定がありき、であることがみえみえ。

なので、すいすい、腹いっぱいでもいくらでも食える。・・・罠だ、罪だ・・・

ファンタジーやホラーでは、「そんなアホな」な設定も筋書きも終わりよければ全て良しだが、どう考えても、腐っても鯛の日本の警察は、こんなアホな茶番を数ヶ月も放置し、複数いる犯人を野放しにしておかない。幾ら作り話でも、あまりにリアリティに欠けすぎる。たかが、子供の戯言ではないか。

百歩ゆずって、警察不在云々、設定のムチャクチャさは目をつむろう。

しかし、人間の本質として、いくら最近の中学生は陰湿なイジメが・・・と云っても、次の展開が100%判るようにパターンされて、トレンディドラマのように、どこにでも転がっている演出で進めていいのだろうか? 何でこの展開で、スリリングさを感じる読者が存在するのだろうか?

一番の罪悪を語る前に、私は、本は、何らかの感動を人に与えてくれる役目をもって生まれたものだと思っている。

感動とは、別に暖かさやお涙ものだけでなく、恐怖ややるせなさや絶望も含め、読み手に何かを与えるもの。心に刺さるもの、考える糧になるもの。こういったものが、その正体だと考える。

この本には、それが一切ない。

もちろん、感じ方には個人差があり。好み・趣味も人それぞれ。私のそれを唯一の正義とわめく私は大馬鹿者であるが、そうでもして自分をなじらないと、この悔しさは晴れそうにない。俺のバカ!?!

じゃ、途中で辞めればいいのだろうが、「読ませる力」「何かを期待させる力」は確かに感じ、最後まで読めば、「俺が悪かった。最後にこんな結末を用意してくれていたんだね」と思える淡い祈りをもって、ついつい読了してしまい。これこそ、この作者の実力で売れた理由であり、もっとも性質が悪いところ。可愛さあまって憎さ100倍。

えっ?? 拙い、ページ数が少なくなってきて、かなり、「危いぞ、コレは」と思っていた危惧そのままに、ちゃんちゃんと終わってしまった。

あぁ~、俺のバカ、まぬけ。甘ちゃん。

途中で辞める勇気があれば・・・。しかし、それも「ひょっとしたら最後にご褒美が・・・」などと悶々としてしまうし。

今日は、朝まで、反省、悔恨が続くことでしょう。

自分が悪いんだから仕方がない。

でも、もう一度云うが、個人の好み、嗜好の違い、とはいえ、コレを流行させる多くの読者諸氏、出版界・マスコミの諸氏。本気なの? どうか、目を覚ませ、酷いぞ、これは!!?!

あ~ん、俺のばか!!!!




2012年10月23日火曜日

■激戦区、五反田CITY インターネット集客 株式会社レゾンデートル

 今日午前、東京・五反田にいました。12時まえ、駅近くでにわかに曇ってきたかと思うと、傘をさす暇もなく、一気に土砂降り。小走りでホームにあがると、乗り込む際も雨に濡れる様相でした。

 さて、本題は、過去のデータがあてはまらない、変わってゆく、おかしな日本の天候・・・ではありません。五反田の本屋戦争についてです。

 駅を南に東急・池上線にそって広がる、桜田通りと山手通りの交差する周辺、品川区西五反田あたり。実は、本屋が密集しています。

ブックオフ 西五反田店

あおい書店 五反田店

あゆみBOOKS 五反田店

そして、今回ご紹介したい、

明屋書店 五反田店

 はるや・HARUYA  書店さんとよみます。

 愛媛の本屋さんなんですね。東京には、中野と五反田にしか出店していません。

 はるばる、東京に戦いを挑んできているのです。

 ブックオフはいわずもがな、関東に10店舗以上を配する他にくらべ、知られていないのです。知ってましたか?

 そして、はっきり云って、外観が劣るのです。

  しかし、問題は中身。外観は負けたとしても、品揃え、面積、で劣勢を強いられても、CURATIONなのです。

 閲覧しやすいか、独自のカテゴリ分けをしているか。キャンペーンや企画で盛り上げているか。

 他にない掘り出し物の本はあるか。

 応援したい気持ちで、中に入ると時節柄、来年の手帳がずらり。しかし、ひと目で、あゆみ、あおいの品揃えに劣るのです!

 しかし、目的は、手帳やカレンダーではなく。「本」なのです。コンテンツです。

 かかし、普通なのです。変哲がないのです! 「ビジネス」「文芸」「趣味」などなど・・・。極めて、オーソドックスなのです。

 おかし、店員の愛想や笑顔など、コンテンツは他にもあるはずです。が、が、が、味のないおっさんがうつむき加減で、「いらっしゃいませ」も云わずにレジカウンター内に座っているのです。

 私は文句が云いたいのではありません。

 むしろ、この激戦区で戦う戦士たちを応援したい。どこか、他との差別化できるもの、光るところがあるはずだ。

 これまでも個人商店で素敵な本屋をたくさん見つけ、幸せな気分になったことのある私。ここは、本屋フリークのメンツにかけて、いいところを探さないと困るのです。

 残念ながら、今日は、時間がなく。次の予定がせまり・・・。

 次回、必ず、リベンジし、明屋さんのGood Informationsを皆さんにお届けしたい。出来れば、何か購買し、ブックカバーを手にいれたいのです。

 次回は中野店も探索に行きたいのです。

2012年10月21日日曜日

■ ザ・まんが、マンガ、漫画 in Japan インターネット集客 株式会社レゾンデートル

 子供のころから本が好きだった。

 ところが、私の育った環境は、何というか、大阪府堺市の団地でして。北の千里ニュータウン(万博の会場です)、南の泉北ニュータウン、その南のド真ん中。

 ニューとは云うものの、高度成長期の只中、元気、真面目な中流家庭が多く、あまり子供の教育には熱心ではない、ほのぼのとした環境。ハッキリ云うと、団地ドヤ街の様相であった。あしたのジョーのもうちょっと仕事についている人たちの住む、同じタイプの家(団地)が建ち並ぶ街で育った。

 よって、当時、ユニフォームを着て少年野球をやったり、サーカーチーム(YMCAが主催)に入っていること自体、敬遠される。勉強で予習のような、”卑怯”なことは表ざたにできない。読書のような、”高尚”なものは、肩身が狭い・・・ような、気がしているのは、私だけが感じていたことか。

 いずれ、そのような雰囲気・環境の中で、おおっぴらに読書はできなかったが、「マンガ」は流行していた。あれは、読書ではなく、ザ・MANGAなのだ。

 何だか、ひとつ低級、大衆、子供向け、のような描き方をしてしまっている。が、当時から、私は、全くそうは思っていなかった。

 同じ価値観の人に早い時期に出会えたことは幸せだった。

 中学校に入り、勉強をしたい、と親にお願いした。初めてだった。どういう心境だったのか正直定かではない。本能的にその必要性を感じていた・・・のか。しかし、大手はいやだったので、知己の私塾のようなところに入った。

 Tさん(先生ではなく、”さん”)は、勉強の方法も独特で、カリキュラムはなく、個々のレベルにしたがって自由に指導していた。どちらかと云うか、進学のためではなく、救済のような塾だった。居心地がよかった。

 このTさん、漫画フリークで、我々にも漫画の文化的な価値をよく語っていた。

 嵩じて、また、変り者塾生たちのやる気を興させるために中間・期末テストのご褒美につかっていた。

 学校はまちまちだが、一律で。5科目の合計450点(平均90点)で、5冊。400点で4冊。300点で3冊。200点で2冊。1点以上で1冊。自腹でプレゼントしてくれた。しかも、Tさんがお勧めを買ってもいいし、こちらが選んでもいい。

 これで、「あしたのジョー」や「がんばれ元気」を買ったのです。

 Tさんに勧められて読み始めた本は多い。

 今考えると、示唆に富んだ名著が多い。考えながら読んでいたのだと思う。

 漫画だけではなく、書斎と称したマンションの部屋は書物で埋もれていた。が、やはり漫画が多かった。

 光る風、赤いペガサス、漂流教室、男組、愛と誠、男一匹ガキ大将・・・。

 個々の内容を語ることは、別機会にゆずる。

 日本の、ザ・MANGA は、昨今、サブカルチャー、オタク的な価値観と混同されているとしたら、残念だ。少なくとも、40年前には、既に確固たる「文化」として巷に息づいていたのだ。

 マンガの価値は、まだまだ多い。また語ってゆきたい。

 

2012年10月16日火曜日

■大人になっても染みいるメルヘン インターネット集客 株式会社レゾンデートル

子供のころに読んだ本で未だに胸が熱くなると云うか、穏やかな暖かい気持ちになる本って、すごく大事ですよね。

これは、大人になっても、大事な童心を持ち続けていれば、新たなメルヘンにも素直に感動できると思うのです。

そして、こういう気持ちは持ち続けたいな~とおっちゃんは思うのです。

子供のころに読んで今でも大切に想う本

■小公女 バーネット・・・セーラが大金持ちだとわかる瞬間よりも、ベッキーを迎えに来るところ(ページ)が今も心に焼きついてはなれない。友情などと易々と口にしてはいけない人間の尊厳の物語。「仁義なき戦い」の刑務所の中で、辰夫と文太の会話。「ショーシャンクの空に」の刑務所の中で言った「HOPE」という一言。両方とも、小公女を思い出す私は、頭がおかしいのだろうか・・・。

■若草物語 オールコット・・・不滅の欧米版「細雪」。実は男の子に読んで欲しい。大人の再読にも耐えうる人間の成長の物語。

■秘密の花園 バーネット・・・ノリは、「クララのバカ!」だが、文学的な気品、質は、遥かに凌駕する。ヤンキーに読んで欲しい出会いと再生の物語。

■赤毛のアン モンゴメリ・・・続編まで、その気品と質を保ち続けた。作者の並々ならぬライフワーク、魂のシリーズ。最終巻だけが時代背景(一次大戦)から趣きを違えてしまい甚だ残念。
先のNHK連続テレビ小説「おひさま」をみて、作者は、本作のオマージュとして日本版を目指したのではないか・・・と思った。質は比べるべくもないが。

大人になって読んで大切だと想う本=是非、お勧めしたい本

■西の魔女がしんだ 梨木香歩・・・梨木の魅力が静かに爆発した大名作。最終ページを読んで、心臓がギュっと音をたてない人は、人として壊れています。重症です。
映画も静かに、同じトーン&マナーを忠実に再現することを心がけているが、最後のシーンは「字」じゃないと醸しだせない世界ではなかろうか。

■遠い海から来たCOO 景山民夫・・・故人に失礼ながら、小難しいしょうもない本ばかりの景山が残した、一世一代の心温まる傑作。読み進むうち、「そんなアホな」と思うことしばしばだが、そのめちゃくちゃさも乗り越えて、とにかく、清々しい気持ちになる名作。
ちなみに映画は史上最悪の駄作。原作が泣いている。

■きらきらひかる  江國香織・・・江國は同じ歳で確かな文章、練った構成で期待を裏切らない大好きな、尊敬する作家。その氏の中で、初期の、いやすべての中で最高傑作と思う一冊。
かくも人間の高貴さをあからさまにおとし、ひけらかし、そのくせ、いつの間にか作家の術中にはまり、胸が締めつけられる感動を与えられる。
死のうかな、と思う人。
是非、この一冊を読んで。そんなアホな気持ち吹っ飛びます。

■TUGUMI(つぐみ) 吉本ばなな・・・説明の必要があるのだろうか? 目を瞑ると潮の香りがする。ただ生きることの大切さを、某「世界の中心で・・・」みたいにまわりくどく、あほらしく描かない。ただ、つらつらと描きつづるだけ。作家がその後日本小説界の大黒柱に成長する片鱗をあまりなく見せた大作。
装丁がまた素晴らしすぎる。
映画も冴える。市川準の脚本は、出演する俳優陣を辟易させるほど、つまらんもので、キャストがわざとだと思える素人、大根揃い。これが見事に功を奏した奇跡の一作。 

■魔女伝説 半村良・・・昭和を代表する良質のSFです。でもメルヘン、夫婦の強い愛情の物語です。
最初と最後が同じ文言の一行です。
が、作家の周到な仕掛けで、全く違う意味、重み、想いを持って響きます。
数ある「XX伝説」の中で、あまり評価されていないようですが、個人的には大好きな再読したい一冊です。

2012年10月14日日曜日

■何を読むべきか? 楽しみながら本を探す方法 インターネット集客 株式会社レゾンデートル

子供の頃から何くれと本を読んできた人なら、わかると思う。

飽きではないが、多少、食傷気味になり、何かお勧めや指針のようなものがあれば覗いてみたり。コレクションでもないが、全制覇、全読破のような定量的な目標があれば、励みになったり。

また、本来楽しいハズの「選ぶ」行為にも疲れたとき、深く考えないで、しかも、安心して及第点以上の本の一覧があると、忙しいスピード時代の現代において、とっても有難い・・・などと考えるときが。

そこで、当世、お勧めリストを眺めてみる。

まず、巷でよく耳にするのは、「新潮文庫の100冊」。教科書にのっていそうな、名前はきいたことあるぞ、と云う本がずらりと並ぶ。安心、安心。

ビジネスマンなら、日経系、ダイヤモンド、東洋経済、あたりで、「新入社員が読むべき50冊」「経済を知る50冊」「国際派が読んでいる50冊」など。知的生き方文庫からもこんなものが。無難、無難。

私は、これ否定しないが、ベストセラーの本ばかりを読んでいるのと、そう変らず。言い換えれば、安定しているが面白みに欠ける。皆が読んでいる=差別化できない。悦に浸れない。

昨年末から今年頭にみたのは、「宮崎駿さんが選ぶ子供のための50冊」。子供と共に読めて、大人にも十分楽しめる基本の推薦書。一瞬、通っぽいが、これも同じ考え、期待で手にとった方は多いのではないだろうか。

天邪鬼会の会員としては、面白くない。燃えない。自分に酔えない。

なので、自然、選書のリストも、マイナーなものに目が行く次第。これも独自のキュレーションなのだ、と自己満足と云う名の湖を一人カヌーで進んでいる。

一例をご報告・ご案内してみたい。

福田和也に「作家の値うち」と云う書評がある。

現存の生きている作家の代表作、話題作、新作(当時)を点数づけする。ばっさばっさと斬ってゆく。もちろん、その評価・評点自体に是非はあるだろうが、個人的には根拠に納得でき、単純に嗜好もあったのか、うんうんと肯けた。

ベストセラー作家で評点の低い人は、無視するか、甚だ立腹、失礼千万の楽しい試みである。

その全作品リストの高得点の本で、未読のものが結構あり、これは読まずにはおれん、とコピーをとって持ち歩いた。70点以上のものを全品漁った。中には、絶版もあり、それがたまたま復刻したり、古本屋でであったり、「探す」作業もとても楽しめた。

次に目をつけたもの。

池袋のジュンク堂書店1階で手にしたリーフレット、「知に歴史あり」。教養新書合同フェア記念の企画である。
岩波書店、中央公論新社、講談社、のライバル3社が互いに認め合う新書の代表作を列挙したもので、これもそそります。

加えて、せこいが楽しい制約を自身に課してみた。
すなわち、ブックオフの100円コーナーや街の古本屋のワゴンセールなど、安い埋もれた中から探し出している。
現在も続くこの探索。見つかるごとに印をつけてゆくと何とも嬉しく満足感がひしひしと・・・。 既に古典、名著と呼ばれ名を知る本から、全く初めての名称、分野まで幅広く、懐が深い。新書ならではのアカデミックな世界に浸かるには、お勧めしたいリストだと思う。

そのリストの中からの出会いがあった。

TV、声に出して読みたい日本語の斉藤孝先生の新書、「読書力」を100円で買い読んだ。コストパフォーマンスが高いぞ、これは。

読書は、スポートと同じでトレーニング、鍛錬が必要である。逆に、個人差あるものの読むほどに「力」がついてくる、という持論を展開している。その通りだと思う。

その巻末に、先生お勧めのリストがあり。殆どは、「新潮文庫の100冊」に重なる古典が多く、既読だが、中には、「お、これは読んでおかんとな、と思いながら、読んでねーな」という気づきが多く、いいきっかけとコピーをとって、最近持ち歩いている。

100円でなくとも良いが、基本、古本屋での探索は同じ。

今、その中から買った、小林秀雄の「考えるヒント」を読んでいる。旧い言い回し、漢字使いも、どこか明治の香りがして、懐かしいというか、しっくりと読める。いわゆるエッセイの類だが、どの文章も機智に富んでいる。先生お勧めの、短い評論「人形」は確かに、多くの人に一読頂く価値があると思う。

ともあれ、ちょっとへその曲がった私の探索リストを常備しての古本屋巡りは今日も続いている。

2012年10月10日水曜日

文教堂「市ヶ谷店」 インターネット集客 株式会社レゾンデートル

残念ながら店舗の独自ページはありません。 ALLのHPは、こちらです。

場所は、JR市ヶ谷駅前交差点渡る。喫茶店と連携していますが、それはハッキリ云っていりません。

昨年12月にリニューアルし、面積(奥行き)が広くなりました。

まず、入り口左右のランキングコーナーが秀逸、見やすい。
変な段差の入り口(=マイナス要因)を逆手にとって採光も豊かで気持ちのいい眺めになっています。
お勧めの仕方(説明文)も個々にマジメに書いています。

文教堂さん全体で力を入れている。旧いDVD集もそそるレイアウトで売上あがっているのでないでしょうか。例えば、「小津」の作品集(超お得!)や、ちゃんばらものの作品集(別々に山中作品のDVDなど持っている私。もうちょっと待てば良かった・・・などとせこいことを)、など若い人にも観てほしい秀作が破格で入手できます。

また、女性ビジネスマン、大学生ターゲットで、付録主役の女性雑誌をいちはやく前面に出し成功しています。奥には、あれ、マツキヨ? のようなコスメコーナーも親切。本屋フリークにはうざいばかりですが、経営・マーケティングの逞しさは「見事!」です。

小説、ビジネス本、ともに中級の読み手向け。

但し、上記、柔らかコンテンツと共に、籠売り・バスケット売り、と云うか、初級者、入門者、にそのカテゴリ、プロダクトの売れ線、読みやすいものを、まとめて置いてあり、門外漢はまずここからでも、その世界にいざなってくれます。

個人的には、買わなくても、楽しめる「優良」店舗に任命します。

お勧めです。